2013年7月31日水曜日

地域の気合い

先日、午後都内での打ち合わせが直前にキャンセルとなり、ならばどこかへ出かけようと富士周辺まで車で走ってきました。
自然の景色を見たいと思い、手軽に御殿場から山中湖、そして道志村を通って夕食までに戻るコースを。 

富士山の登山口付近まで行ったのに、生憎の雨で姿はまるで見えず....
なので、車を走らせながら、途中道の駅等によって、安くて新鮮な野菜をたくさん買って来ました。
さっそく夕食にいただきましたが、美味しかった〜!


富士山で脚光を浴びるようになったからか、どこの道の駅も商品が充実し、気合いが入っているような気が..。
道志村も昔からよく行くところですが、この一帯も何かが変わっているように感じました。







村営の「道志の湯」でひと浴びしてきたかったのですが、時間足りず。でも、チラシを見て、地域の森林資源を活用した薪ボイラーで温泉を湧かすようになったと知って、気になる情報をゲットしたと興味ワクワク。

帰宅してから調べてみたら、道志村では、バイオマスタウン構想の一環として間伐材の循環する森林再生事業に取り組んでいて、薪ボイラーの導入もその一環。「木の駅」プロジェクトなるものがあるとか。

その他、道志村では森林ボランティア、グリーン・ツーリズムまで多様な取り組みを展開しているらしく、再生可能エネルギーの活用と都市との連携を相互に連携させつつ、山村地域の地域活性化をはかろうとしています。
村の面積の約3割が横浜市の水源森として管理され、横浜市では道志の水も販売するなど縁が深い。また、横浜市には「道志の森基金」もあり、内訳をみると意外にも個人の寄付金の割合が多くて驚きです。
横浜市民の施設利用優遇制度もできていましたし、横浜から来る森林ボランティアも活躍しているようです。

いろんな取り組みの具体的な活動を見たわけではないですが、短時間の滞在でもそんな変化を少し感じ取ることができました。地域の気合いですかね。
また、ゆっくり遊びにいきます〜

エネルギーの渦にクラクラ〜

猛暑にやられ、しばらくご無沙汰してしまいまいました...。
このところ少し気温が下がってきましたが、今度は突然の豪雨に見舞われるという、
不安定な気象が続いています。
みなさま、くれぐれもお体ご自愛ください。



この間養生しつつも、ちょこちょこと出かけてはおりました。
特筆することはあまりなかったのですが、激しく印象的だった所をリマインド。

それは、夏の海水浴場場。
夏と言えば、海!水着!と張り切っていたのははるか遠い昔...
長らく足を運ぶこともなくなりましたが、先日ひょんなことでⅩ数年ぶりに逗子海岸へ....


かなりの衝撃でした...。あくまでの個人的な感想です。
なんというか、あまりの自分たちの場違い感に...。

若者の露出激しい水着姿がまぶしいこともありましたが、なんとも言えぬエネルギーの渦にしてやられました。
ナンパなんて言葉は死語に思いますが、久々に言葉が頭をよぎるほど男女ともにパワフルな熱気が...
同行した男性曰く「ケモノの集り」の光景だったとか。

まあ、自分の歳をいやというほど実感しにいったようなもんです。
ちなみに我々は水着など着てはおりませんので、ご安心あれ。

久々に現地に立ち、今は海の家ビジネスが本当に盛んなんだとわかりました。
メディアのキー局の出店、ライブハウスもあるし、食も多彩。海岸いっぱいに立ち並んでいました。
ブラジリアンバーベキューが美味しそうだったけど、さっさと退散してしまいましたよ。
そして、短時間でも激しく疲れました....
目に見えぬエネルギーの確かな存在感に打ちのめされ....
いやはや。

2013年7月1日月曜日

初・高尾山

富士山が何かと話題をさらっている最中、私は高尾山へ初挑戦してきました。
今の季節、木々の中の散策はとても気持ちよかったです♪



高尾山は、麓までの鉄道駅だけでなく、山の中腹へのアプローチもしやすく、いろんな楽しみ方ができるところでした。
老若男女が訪れるのがわかります。

山中の遊歩道は幅が広く舗装されていて、尾根を歩いているような感覚で、サイドのいたるところから遠くの景色を眺め見ることができるのも魅力的でした。
今回夕刻に近い時間でしかも犬同伴だったので、往路はリフト復路はケーブルカーを利用してみました。

意外にもリフトとケーブルカーが楽しかった。長い距離で結構傾斜のきついところもあり、乗り応えあり!
下りのケーブルカーは出発直後の傾斜具合がすごく、体が前のめりに大きく傾くほどのもの。
日本一の勾配らしいですね。思わず、富士急ハイランドの高飛車を思い出してしまいました〜



wikiを覗くとこのケーブルカーは開業までかなり苦難の道のりを歩んだようですが、今となってはこの存在が高尾山にいろんな層を呼び込むひとつの要因となっているのかもしれません。
山の上でビアガーデンを開催できるのも、ケーブルカーのお陰でしょうね。



高尾山は元々山岳修行の霊場であるのですが、なぜか威厳よりも敷居の低い親しみやすい印象を受けました。大勢の人が訪れるようになったからでしょうか。


例えば通常は藁でつくっているくぐり輪や厳しい修行を伴うはずの六根清浄が、常設型で耐久性のあるつくり込みで用意され、誰でも自主的に試せるようになっています。人気スポット故、風情よりも開放性、参加性を重視したのかな。
 
高尾山は全体に豊かな自然が存在しているんだけどその中に観光地化の人為的な整備も施され、そのブレンド加減に私は他にはない個性を感じました(周知のことかもしれませんが...)。
今回の滞在範囲は狭く一部だと思うので、次はもっと山の奥まで広く探索して違う面を発見したいと思います♪



最後に。
山の麓の京王線駅の敷地内では、温泉掘削が行われていました。観光地開発を進めていくのでしょうか。
でも駅周辺は特に外向きのお店などなく、観光案内所も早々に閉じていましたし、何よりも駅のまっ正面がラブホとそれに似た外見のトリックアート美術館という何ともミスマッチな光景に驚きました。
せっかくなら駅周辺から一体感を考えてほしいな...。 

この時期は日が長く人が夕刻過ぎても多くいるにもかかわらず、山の上、参道、駅のお店が全て閉じているのももったいない気がしました。夜までビアガーデンも開催していますし、何と言っても、登山者数は世界一を誇る場所ですからね。

とはいえ、高尾山は、何度でも行きたい、行けそうな場所に思える感覚がよいのでしょうし、のんびりした感じも都心との違いを醸し出す癒し要素かもしれませんが...。


 

2013年6月27日木曜日

KITTEにある「インターメディアテク」に行ってきました

KITTEは東京駅前に今年3月にオープンした、日本郵便がはじめてつくった商業施設です。 
旧東京中央郵便局舎の歴史的建築を残す残さないで以前話題となったところ。三角柱のかたちをしたレトロモダンな建築外観は残され、内部は写真のようなおしゃれ吹き抜け空間に生まれ変わっていました。 

全国のご当地銘品をを揃えたお店が多いのが特徴で、 今はやはりタイムリーな富士山グッズが多く目に止まりました。ところどころ、行列ができている飲食店もあり...。


この施設は「内装環境設計は隈研吾が手掛け、各フロアごとに木材や瓦、織物、和紙 など日本古来の素材を使用し、コンセプトである「Feel JAPAN」が表現されている」のだそうです。
残念ながら今回その細部まで堪能する時間がありませんでしたので、改めて遊びに行ってみたいと思います。 


 
さて、私は以前からこの中にできた「インターメディアテク」に行きたいと思っていました。
ここの正式名称は、「日本郵便+東京大学総合研究博物館 JPタワー学術文化総合ミュージアム」。
どんな東大コレクションがあるのか、ワクワクドキドキ...。

 

実は名称から、インターラクティブなメディアアートが中心なものと勝手にイメージしていました。
ところが、2層分のスペースに展開されていたのは、想像とはまったく対照的な、静的陳列のコレクション展示でした。
実際は「各種の表現メディアを架橋することで新しい文化の創造につなげる「間メディア実験館」」に名称由来があるそうです。

歴史性のある空間とレトロな陳列棚の配列はとてもマッチして、大人な展示空間が広がっていました。古くオーソドックスなものが、新しい?みたいな、懐かしさと新鮮さが同居する感覚。
展示物=学術的文化財の収集も未来へ生かす研究リソースであり「ReDESIGN+」して活用するもの、という思考ベースが空間づくりにも反映されているからでしょうか。

ミイラや骨格標本、剥製、旧来の科学機器...展示は多岐にわたって充実していました。
印象的だったのは、ある天文学的な画像を大型の美術作品のように設えて、美術館的空間としたコーナー。面白い試みです。
それと個人的には幾何学形態の陳列展示。単純にいろいろあって比較して見るのも楽しいし、なかなかあるようでない。オブジェクトとしても面白いと私は思うのですが、これは個人的嗜好ですね...。

ミュージアムの入場料はなんとフリー。 
東大は研究成果を生かした商品開発を行っています。そんなグッズがそろったショップもありました。

インターメディアテク

このサイトの中に、旧建築物の歴史とこの施設の創設経緯が掲載されています。単なるリノベや転用ではなく、これは、歴史遺産の「転生」と「継承」であると記されています。
確かにそんなメッセージを内在させた丁寧さが感じられました。

資料を読み込んで、また違う視点で見に行ってみようと思います。

2013年6月22日土曜日

デザインのチカラ

昔から、ユニークなリサイクル、リユースグッズを探すのが好きでした。
そして、いつか自分もそんなプロダクトをつくりたい、などと夢見ています。

私の目標ポイントは、以下の4つ。
 1 素材は社会で必要とされる製品から発生する廃材
 2 収集に無理がなく一定量確保可能
 3 できるだけ元の特性を生かすこと
 4 使いたくなる、実用的なデザイングッズに再生

実は4のハードルが高い。
アイデアやコンセプトはよくても、デザインセンスが欠けていたらプロダクトとしては魅力が出ないんですよね〜
そして、残念ながら自分にはそのセンスがない...(涙)
だから、時折これだ!と思うものに出会うと、感心しきり。

そのひとつがここちらです。



 

casa project。
casa=傘! 不用となった傘の生地を使って、バックや小物、タープなどのプロダクトに生き返らせたり、空間づくり、ワークショップなどを開催しているプロジェクトです。
カラフルで美しい作品は見るだけでも楽しいです。デザインのチカラって偉大です。

私がこのプロジェクトを見つけたときにはまだあまり知られていませんでしたが、今では活動が一気に広がっている様子。
掲載した写真は、最近あるデパートで、梅雨を楽しもうディスプレイの一角で偶然見つけたものでした。

ぜひwebサイトで、casaから生まれるかわいらしい世界をご覧ください。

casa project 


ちょっと似たタイプの発想で、古着物をスカートにリメイクする作家さんがいます。
そのパッチワークスカートは、色や柄合わせ、配列の妙が魅力的で他には真似のできない価値を感じます。
だから、納得の購買対象になるんです(いつも即日売り切れますが、1枚ゲットしました!)。
新作を見るのが楽しみで、よくサイトを覗かせてもらっています。

着物リメイクの作家さんは他にもたくさんいますが、センスの違いでまったく異なるものとなってしまうんですよね。



そして、もうひとつご紹介しましょう。
これはずいぶん昔に見つけた、封筒です。

情報刷新のため、定期的に印刷所で大量廃棄される地図の印刷紙を、レターセットにリメイクした海外のプロダクトです。
見た目のインパクトだけでなく、商品づくりのトータルデザインが見事って感じ。
 
今でこそ産業廃材が着目されるようになりましたが、当時はそのような発想のものはなく、これを見つけた時は感動しました。思わずいろんな人に紹介したものです。




私の話が広まったわけではないでしょうが、一昨年横浜大桟橋でまったく同じコンセプトの商品を見つけて驚きました。

うれしいような、かなしいような....
横浜の新しいお土産シリーズ・メイドインヨコハマの、廃版の海図を活用したレターセットです。

 海図レターセット

これは大手のデザイン会社とディスプレイ会社が共同で開発しているものらしいです。 なるほど。



地域振興で特産品づくりが盛んですが、商品のみならずパッケージや宣伝のデザインで注目を浴びるケースも少なくありません。デザインは、商品価値を構成する大事な要素です。

特にリサイクル、リメイクグッズであれば、よりデザイン性を意識した方が良い気がします。なぜなら、エコ、再活用ということの意義に終始するものが多いように思うからです。
「商品」であるからには、やはりユーザーの購買意欲、愛着をかき立てるクオリティは不可欠です。 

特に行政がらみのグッズってそうなりがち...。
もらったけどいらない、なんてなったらまたゴミとなるだけです。
行政の事業費にデザイン料を計上するのは難しいですし、その発想がない。ぜひデザインのチカラを再確認してほしいです。
だって、デザインを重視した方が、結果良い循環が得られてエコになる!

ソーシャルプロダクトと言われるような商品は、クリエイティブ志向のある層のかかわりが多いせいか、デザイン性が高いようです。意義と仕組みとデザインと価格のバランス配分を工夫しています。デザイン=高価というわけでもありません。
センスある商品が多く出現することで、○○ジャパンだとか、地域商品に力を入れる行政のデザイン意識が柔軟になるよう期待したいです。 

2013年6月18日火曜日

語られない歴史 Ⅱ

こちらはがらりと変わって、横浜の根岸にある、横浜競馬場跡の建物。 
戦前の建築物としては大型で、丘の上に高くそびえる姿は圧巻です。

米軍施設に隣接しているためかどうかわかりませんが、ずっと何も修復活動は行っていないようで、ただただ朽ちていくのを待たれているかのように、放置されている状態です。
レトロ感溢れる建築の大きな窓にはトタンが貼られ、手の加え方に愛情も感じられない ...。



この建物は行政が所有していると思いますが、今は役目も復権も支援もない、孤立無縁の存在に映ります。
前述の本町通りが面だとすれば、こちらは孤高の一点。
まちの形成もなく、人の影もない廃虚。
歴史性は固辞していますが、なんとも寂しく寡黙な立ち姿でした。

語られない歴史 Ⅰ

先日さいたま市中央区(旧与野市)の本町通りに行ってきました。
歴史ある旧街道とのことでしたが、地元の方の話を伺わないことには、なかなか情報をキャッチしずらく、また歴史が目に見えないものです。

でも、確かな歴史は存在します。
現地で人の解説が加わると、目の前のまちは急に別の次元で見えてくるので不思議なものです。
かすかに残る歴史の残り香を探し求め、俄然興味や親しみといった感覚がふつふつと湧き出てくるのです。

地元で代々続く家の、地域愛の深い方の語りだった、ということも大きいのかもしれません。 
これまでも、いくつかの場所で、同じような貴重な経験をさせていただきました。




この通りには、昔は写真ような前庭が各戸にあり、そこで市が開かれていたそうです。
その賑わいを想像すると、楽しそうです!
鎌倉時代には鎌倉街道の要所、市場町として栄え、江戸時代には宿場町としての役割も担っていたとか。

川越の蔵造りのモデルとされる蔵造りの建物がシンボルでしたが、現存している蔵も前庭も少なくなり、観光資源として活用しずらいとのこと。
維持改修は所有者の負担となるので、なかなか保存は厳しいようです。
それでも中には柱をすべて解体して本格的に補修した家もあり、通り面に対して奥に長い敷地に離れが続き、中庭もきれいに整備して立派な風格を保っているお宅もありました。

ここでは蔵のあるまちの歴史を生かす、お祭りや「蔵のまちコンサート」を開催しているそうです。
何も観光地化する必要はないと思います。祭りやイベントでまちの歴史や賑わいの姿を演出しながら、人々の記憶に残していくのもいいと思います。
地域で語り継いで歴史を伝承し、愛着を感じさせる仕掛けをぜひつくっていってほしいと願います。
そんな地域であれば、外の人にも魅力的に感じられるでしょう。

歴史は語らないと伝わらない。そして、時折外にも情報発信してほしいです。
すっかり気になるまちとなりましたので(笑)。